Blogizumiブログ
- 2025/10/11
- 食べもの
- フランス文化
- 料理
フランス生活から教わった「美食の文化」
Bonjour !
「L’art de vivre 人生をアートする」という考え方をもって人生を楽しもうとするフランス人。ここでは、そんなフランス人たちに教わったの素敵な「食文化」についてお話しします。季節は食欲の秋♪
さて、私がパリでホームステイ生活をスタートしたのは99年。家族や友人と過ごす日常生活の中で、その中心に「食」があるように感じさせらる出来事がたくさんありました。それは「高級食材」「高級レストラン」ということではなくて「食」に拘って愉しむことが「人生」を豊かにする役割を果たしていると気づかされたことです。
「フランス料理」がユネスコの無形文化遺産に登録

2010年に「フランス料理」がユネスコの無形文化遺産に登録されたニュースをきいたときに「そう思わされることが沢山あるから、登録されてよかった」と心から思えました。
フランスにおいて日本人である私は外国人の立場。文化の違うフランス家庭での暮らしやフランセたちと過ごす時間の中で「食事」というものの大切さを実感させられてきたから、とても嬉しいニュースとなりました。

フランスで教わった「幸せな時間」の過ごし方。このことを忘れずに、日本にいながらフランスのように生活できるようにと心がけているところです。
そんなことから「美味しいもの」「素敵なモノ」「素敵なコト」「素敵な場所」を見つけたときには、家族や親しい友人たちと共有したい気持ちになってしまいます。「あれ、美味しかったよ」「お店に行ってみたよ」「教えてくれてありがとう」と言ってもらえるのが嬉しくて、趣味のような自分の愉しみになっています。
さて、話をもどしまして「フランス料理の文化」についてのつづき。

無形文化遺産としてのフランス料理:ユネスコの無形文化遺産に登録されたのは、特定の料理ではなく、「食事を囲む社会的な慣習」や「料理とワインの組み合わせ」「テーブルセッティング」「マナー」など、フランスの食文化全体です。
「食事を囲む社会的な慣習」
フランス人たちは、毎週末のように人を食事に招いたり、招かれたりする習慣があります。ごく日常のことととして、食事を一緒に愉しみます。ホームステイ中は、来客も多かったですし、友人が誘ってくれることも頻繁にありました。

食文化の重要性:フランスでは、食事は単なる栄養摂取ではなく、家族や友人との交流、特別な日を祝うための大切な時間として位置づけられています。

この登録された理由は「フランスの食文化が単なる料理の提供だけでなくて、食事を囲む社交的な慣習や素材の選択、料理とワインとの組み合わせ、食卓での所作など、包括的な文化であるとして評価された」ということです。
フランス家庭で暮らしていると、本当にそうでした。「食事を囲む」という日常的な出来事が、幸せな時間につながると感じさせられたことが、私の人生を豊かにしてくれたと思っていて、最も意味のある出来事でした。だから仕事においても、この愉しみを伝えていけるよう工夫しながら取り組んでいます。
「料理とワインの組み合わせ」

地方へ出かけたときにワインカーヴへ立ち寄ると、日常のワインを選ぶために訪れる地元のフランス人たちも多いことがわかります。そして、醸造所の方と親しく話をしながら、料理のメニューを伝えてワインを選んでいます。
もちろん、スーパーで買うことも多いものですが、プロと一緒に選べる時間は、それだけで楽しい買い物になりますし、食事を盛り上げる愉しみとして、こだわって選んだワインがテーブルに並べられると素敵ですよね。

レストランでは、ソムリエが料理に合わせてオススメを組み合わせてくれますね。
「テーブルセッティング」
これも食事を愉しむ上での大事な要素。家庭でも毎晩ナプキンと料理に合わせたカトラリーが並びます。ナプキンについては金具の模様で誰のものかが判別つくようにしてあって、私のものは「コレ」と決まったデザインものを使っていました。

「マナー」
気分よく食事をするためのマナーも大事。スープを飲むときに不快な音は立てない、食べ物を口にいれたまま話をしない・・・などは、日本でも同じようなマナーとしてでしょう。ちょっとしたことだけど、食の時間に拘る文化のひとつ。
「食事を共に囲む時間は人生のたのしみ」 「あの時、あそこで一緒に食べたよね」「あのワイン美味しかったね」と、記憶に残ることってありますよね。

食に関わる日常生活のささやかな喜びというものは、人生において大事にしたい愉しみといえるのではないでしょうか。「一緒に食事を囲む時間」は人生の愉しみのひとつ。私はきっと、そこに惹かれるから飽きることなくフランスという国が好きなんだろうと思います。皆さんは、いかがですか。
”さて、今度は、誰と一緒に何を食べようかな”
では、次回もお楽しみに♪ Bon appétit!
