Blogizumiブログ
- 2025/06/07
フランスに行ったら食べたい、本場の味 crêpe クレープ
Bonjour !
今回は、マダムとのパリ暮らしの中から「crêpe クレープ」のおはなしです。
※コチラは「マダムと暮らしたフランスでの日々」みんなの暮らしオンライン連載掲載(2019/10~2021/03)が終了したので、再編集をして投稿しています。お愉しみ頂けると幸い。
家でも手作りのクレープを焼くくらい、クレープが大好きなフランス人。家だけでなく、外でもよくクレープを食べる機会があります。日本にもクレープはありますが、フランス旅行へ出かけた際は、ぜひ本場のクレープを食べてみて頂きたい。

クレープに纏わる前回の投稿では、クレープを食べるフランスの行事「Chandeleur(聖燭祭)」にちなんで、crêpeにまつわるエピソードや簡単レシピをご紹介しました。
→ フランスの定番おやつは、焼き立ての Crêpe クレープ♪ 2月2日は Crêpe クレープの日!→
そして、今回のテーマは「crêpe クレープ」の続編。以前、連載をさせて頂いていたときの編集のご担当者様から「家でなく外で食べるクレープについても知りたい」とのリクエストがありまして、続けてお話しすることになったものです。
感動した「はじめてのcrêpe」
日本でもクレープは、身近な食べ物。日本だとおやつのイメージが強いですが、フランスでは食事としてクレープを食べることがよくあります。

私が初めてお食事クレープを食べたのは、ブルターニュ地方のナント大学へ通っていた1993年のこと。帰国前の週末に、ホームステイ先の老夫婦が街にある専門店まで車で連れて行ってくれました。
当時、クレープといえばデザートのイメージしかなかった私。外食しようと誘ってもらったのに、クレープと聞いてあまり喜べないまま車に乗りました。
家から街まで、車で1時間。わざわざ連れて行ってくれるのに、どうしてクレープ屋なのか……と。
で、到着したのは、クレープの本場であるブルターニュのナントという町。レストランは、私が勝手に想像していたカジュアルな雰囲気ではなく、店内は地元客でいっぱいでした。
食べてみて、そのおいしさに感動!

これがクレープ屋? とカルチャーショックを受けながら、目の前に出てきたクレープは、見た目からして日本のそれとは全然違います。
なんなのコレは?! これがフランスでいうcrêpeなの? とびっくりしました。
このようなクレープ専門のレストランは、フランスでは「crêperie(クレープリー)」と呼ばれます。クレープ発祥の地であるブルターニュ地方では、週末になるとクレープリーへ出かけて食べることも多く、地元の人たちのために週末だけやっているお店もあるくらい。
おいしいクレープを求めてブルターニュ地方に足を運ぶのもいいですが、パリにもおすすめのクレープリーはあります。パリっ子に人気なのは、「Josselin(ジョスラン)」というお店。

ブルターニュ人(ブルトン)が作る本場の味をいただけるお店で、普段は行列に並ばないフランス人たちもこの店には行列しています。私が最初に訪れた20年前からずっと今も変わらない繁盛店。具材の種類が豊富なので、みんなに楽しまれているのも納得のお店です。

ツウなクレープの頼み方
ご存知の方も増えてきたと思いますが、フランスには「2種類のクレープ生地」があります。
ひとつは、茶色がかった生地 Gelettes de Sarrasin そば粉のクレープ 。そば粉(Sarrasin)を使った生地は、通称「Galette ガレット」と呼びます。その材料は、そば粉と水と塩だけです。メインディッシュとしてベーコンやチーズなどいろんな具材を包む、塩気のある生地の食事クレープです。

もうひとつは、日本でもよく見かける小麦粉の生地。こちらの生地で作られるクレープは、ジャムやハチミツをかけたり、マロンクリームやアイスクリームをのせたりして、デザートとしていただきます。
GALETTE COMPLETE ouef, jambon blanc , fromage
お食事クレープの定番は、卵&ハム&チーズの組み合わせ。
おもしろいことに、この具材の組み合わせのクレープには決まった呼び名があり、みんな「Complet(コンプレ)」といって注文します。 フランス語で「Complet(コンプレ)」は、「完全な・すべてそろった・完璧な」という意味の形容詞。 「Complet」と言って注文すると、卵&ハム&チーズのクレープが出てきます。
それからもうひとつ、
Au miroir(オ・ミロワール)
クレープ屋さんで使うフランス語があります。それは、「Miroir(ミロワール)」。「鏡」を意味する単語です。

「Au miroir(オ・ミロワール)」と注文すると、生地の上に目玉焼きをのせてくれます。「Miroir」と言わずに注文すると、卵はハムやチーズと一緒に生地の中に包んで焼いてくれます。
「Complet」と注文した後に「Au miroir」と頼めば、「任せて♪」とウインクして気持ちよくオーダーを受けてくれるウエイターに出会えるかも!? それがフランス♪ フランスらしい言葉を使うと、ワクワク感が増しますよ。

生地の味わいや焼き方、お皿に盛るときのクレープの折りたたみ方はお店ごとに少し違うので、自分好みの店を見つけるのもいいものです。こちらの続きとして、次回は「美味しいクレープ屋さんのエリア紹介」をさせて頂きます。
では、次回もお楽しみに♪ Bon appétit!